エニアグラム概説

エニアグラムの概説です。
ほぼ記憶で書いているため、認識の間違いがあればご容赦を。

エニアグラムは性格分析の一種です。
エニアグラムによると、人間の性格は9通りに分けられます。
エニアグラム研究所[日本]
http://www.enneagram-japan.com/enneagram/9types/
画像は上記HPの引用です。

9通りの性格では、それぞれ根源的な恐怖があり、
それを克服するために、根源的欲求があります。
そこで、根源的な欲求を満たせているかどうかで、健全度が決まります。
(健全度は健全である段階1から不健全な段階9まで上下します。
段階1〜3が健全、段階4〜6が通常、段階7〜9が不健全です。)
エニアグラムによると、つまり、健全な人ほど性格的に自由であり、
不健全な人ほど悪循環に嵌まります。
普段認識している性格というのは、如何に固定概念であるか、
そこから脱出して自由に生きるのが如何に素晴らしいかというのが、
性格分類としてのエニアグラムのメッセージ性だと考えています。

エニアグラムでは健全に向かう方向を統合、
不健全に向かう方向を分裂と呼ばれます。
タイプ4であれば、健全の場合タイプ1的な特徴が出てきて、
不健全であれば、タイプ2的特徴が出てきます。
・統合の方向
タイプ9→タイプ3→タイプ6→タイプ9
タイプ1→タイプ7→タイプ5→タイプ8→タイプ2→タイプ4→タイプ1

・分裂の方向
タイプ9→タイプ6→タイプ3→タイプ9
タイプ1→タイプ4→タイプ2→タイプ8→タイプ5→タイプ7→タイプ1

さて、ここで興味深いのは、あるタイプは他のタイプの8タイプとそれぞれ似た特徴を持ちます。
例えば、タイプ4であれば、
ハートセンターであり(2,3,4)、ホーナイの三つ組では遊離型(4,5,9)
フラストレーションタイプ(1,4,7)であり、反応型(4,6,8)なのです。
つまり、「どんな人同士にも性格に共通項がある」と言っても過言ではありません。

更にウイングと呼ばれる概念があります。
大雑把に言うと、あるタイプが隣りにあるタイプのどちらかのタイプ的なアプローチで、根源的欲求を満たそうという働きです。
タイプ4であればウイングが3の場合と、ウイングが5の場合があります。
それぞれ、4w3、4w5と表します。
ウイングの深さは人によって異なりますが、
その深さ自体は健全度のように変わることはありません。
つまり、ウイングを合わせて考えると9×2=18通りの分類ができます。

また、本能のサブタイプという概念があります。
自己保存(self-preservation,sp)、ソーシャル(social,so)、セクシャル(sexual,sx)の3通りがあります。
詳細は下記のサイト参照。
http://ayadd.blog.fc2.com/blog-entry-231.html
本能のサブタイプには、普段使っている機能(優位)のものと、
次に使う機能(補助機能)のものがあります。
また、普段使わない機能(盲点)があります。
例えば、自己保存が優位で補助機能がセクシャルの場合、(sp>sx)と表します。
一般的に自己保存盲点の人は、体調管理に無頓着です。
セクシャル盲点の人は、何かを成し遂げる気概に欠けます。
ソーシャル盲点の人は、人間関係に苦労します。
ウイングと本能のサブタイプを合わせて考えると9×2×6=108通りの分類ができます。
なお、ウイング・本能のサブタイプはfixです。
(端的に言えば、一生涯変わらないということです。)
エニアグラムを本格的に用いるなら、ここまでの分析は必須です。
(これを考えると、あのMBTIがシンプルに思えて来ますね。)

科学的根拠としては、下記の書籍の表が詳しいです。
9タイプ・コーチング―部下は9つの人格に分けられる: 安村 明史
つまり、セロトニンノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、ドーパミンの神経物質によって、決まるということです。
http://www.keiei.ne.jp/enneagram/what.html
こちらは、本能のサブタイプ的に考えても、
セロトニンの働き=自己保存的、ノルアドレナリンの働き=ソーシャル的、
ドーパミンの働き=セクシャル的なのが、興味深いです。
(エニアグラムの本を読むと、神秘主義的な内容が頻出するので、反応に困ります。)

個人的にエニアグラムに興味を抱いたのは、
2002年に発売したPS2ゼノサーガ エピソード1というゲームがきっかけです。
このゲームの素晴らしいところは、外連味があるのにキャラクターの描写が自然な部分です。
エニアグラムをベースにキャラクター描写を行っているのが功を奏していると思います。
(ただし、エピソード1に限ります。
エピソード2以降はシナリオライターが変わっているため、正直台詞回しが変です。)
こちらの設定資料集に各キャラクターのエニアグラムのタイプが書かれています。
この中で、各キャラクターの不健全な部分がバッサリ切ってしまっている所が
妙に痛快で、興味を持ったのがきっかけです。
                                                  
ただし、アレンは、この健全なタイプの人物とは言い難い。
認めて欲しいと思う相手、すなわちシオンに認めてもらうことができないという
ストレスが彼を抑圧しているからである。
それによって、アレンは不健全な状態となり、
その性格の発露が好ましくない状況のものへ偏ってしまう場合が多く見られる。
(略)父親の権威に従属してしまう自分を、
新たに従属したいと願うシオンに見せたくないという想いが、
そこにあると考えられる。
それは、自らの意志で仕えるべき主人を変えようとする奴隷の苦悩と言える。
(ゼノサーガ エピソード1 力への意志 オフィシャル設定資料集p.46)
                                                  

当時、インターネットで可能な限り調べましたが、
エニアグラム with usというサイトがとても考察が深くて、
熟読させて頂いた記憶がございます。
(リソとハドソンという研究者の思想が、ベースのサイトです。)

自分がエニアグラムを知った10年以上前の当時に比べると、
エニアグラムに関してインターネットの資料自体は増えていると思います。
(エニアグラム with usが実質閉鎖されたのは残念です)
リバースエニアグラムエニアグラムをシンプルかつ詳細に説明されていて、
おすすめのサイトです。
(リバースエニアグラムhttp://commu-labo.info/)

個人的に最初の経緯もあって、
エニアグラムで架空の人物の性格分析を考えるのが、趣味の一環ですが、
上記のサイトを見ると、新世紀エヴァンゲリオン綾波レイが如何にタイプ4かという所が納得できました。
http://commu-labo.info/contents/simple-enneagram/type/type4/type4_2.html
例えば、アニメ的に考えると、所謂無口キャラクターは4か5が多いですが、
エニアグラムを齧ると両者の違いがよくわかります。
古い例えだと痕の柏木楓がタイプ4的で、
To Heart来栖川芹香がタイプ5的です。
KeyだとKanon川澄舞がタイプ4的で、
AIR遠野美凪がタイプ5的です。
(これをわかる方は同世代か年上だと思われます。
最近の作品でいい例えが思い付かないので、思い付いたら書きます。)
追記。虚淵作品なら、Phantomのアインがタイプ4的で、
ヴェドゴニアのモーラがタイプ5的、
丸戸作品だと、この青空に約束をの藤村静がタイプ4的で、
ショコラの秋島香奈子パルフェ夏海里伽子がタイプ5的。
(そういえば、今アニメがやっている冴えない彼女の育て方霞ヶ丘詩羽先輩は、
香奈子さんリメイクなコンセプトですね。好きです。)

資料が足りない難はありますが、エニアグラムは本格的な性格分類なのは間違いないです。
人間誰しも、他の人を何らかの性格分類をして見ているものです。
(エニアグラム アソシエイツのコラムであった言葉だったと記憶しております)
それなら、しっかりした枠組みで考えた方がいいんじゃないかと僕は思います。

上記の通り、エニアグラムは半端に使っても意味がないので、
ある程度即効性を求めるなら、MBTIの方がオススメかもしれません。
こちらは各種資料が揃っているのも魅力的です。
一般社団法人 日本MBTI協会
http://www.mbti.or.jp

・参考書籍一覧
エニアグラム―あなたを知る9つのタイプ 基礎編 (海外シリーズ): ドン・リチャード リソ, ラス ハドソン:
性格のタイプ―自己発見のためのエニアグラム: ドン・リチャード リソ, ラス ハドソン
性格と神経症エニアグラムによる統合: クラウディオ ナランホ

・参考HP
エニアグラム研究所[日本] http://www.enneagram-japan.com/
エニアグラムアソシエイツ http://enneagramassociates.com/
エニアグラム with us http://www63.tok2.com/home2/aotori49/ ※内容はリンク切れ
リバースエニアグラム http://commu-labo.info/contents/simple-enneagram.html
KiwiΘgram/エニアグラム http://ayadd.blog.fc2.com/