Sennheiser MX980 レビュー

Sennheiser MX980 開放型 \14,800
http://kakaku.com/item/K0000098161/

使用HPAはDenDACです。
なお、すべてのイヤホンに対して、イヤーパッドは使用しています。

・レビュー
MX980はSennheiserなので、HD650、MX400のような、エッジが丸い音色を想像していたのですが、上の2つほどその特徴は突出してはいません。
そのため、思った以上にどのジャンルの曲にでも合います。
一時代前のオープンエアーの定番だったATH-CM700Tiと比較すると、音色に癖がなく、
ワンランク上の音を鳴らしてくれます。
ただし、極端に聞き疲れする音色ではありません。
音域でいうと、中音域の音が丸く感じる点がやはりSennheiserだと思います。
(これがHD650、MX400だと低音が丸い)

・MX880との比較
まず、MX880とはイヤホンとしてのランクが違います。
MX880はプラスチック製なのに対して、MX980は金属製です。
個人的にMX880の低音が足りない不満が解消されましたが、
同傾向の上位互換と言うよりは、音の自体の傾向が違うという印象です。
そのため、MX880より何のジャンルにでも合います。
MX880の得意ジャンルではオーケストラ、特に金管楽器が白眉です。
MX880の苦手ジャンルでも打ち込み、ロックに対して、よく鳴らしてくれます。
以前、Aurvana AIRがあるから、MX980はコストパフォーマンスが悪いと書きました。
それが間違いだとは思いませんが、
ATH-CM700Ti・MX880の価格と性能と比較すると、順当な価格だと思います。
イヤホン自体の仕様や付属品を比較しても、高級感があるのも良いです。
Aurvana Airを持っている人がわざわざ買い足すかは、使い分けを意識しないと微妙で、
一般的に先に密閉型やHPAを揃えるのが先だと思います。
聞き分けする場合、ほぼ何を聞くにしてもMX980で構わないと考えます。
ある意味、MX980がSennheiser的ではなくオールマイティに何でも鳴らせるのが特徴で、
MX880は従来通りのSennheiserサウンドに近く、聞き疲れし辛いため、
長く聞く場合、MX880の方が良く、好みがわかれるかもしれません。

・Aurvana Airとの比較
Aurvana Airより音空間はMX980の方が広いです。
この点で、MX980は先のMX880よりポータブルに明らかに適しています。
分解能はAurvana Airの方が高いです。
何でも合いそうなのはMX980ですが、イヤホンとしてはAurvana Airの方がそれでも1ランク上だと思います。
全体に中音域の音が丸く感じるのがそう感じる原因です。エージング中なので、感想が変わるかもしれませんが、
こうした特徴自体は変わらないと思います。
ただし、聴き比べることで、DJ1 PROのように音を何でも分離させるAurvana Airの空間表現の特殊さがよくわかります。
よって、聞き分けるなら、クラシック、ジャズのような生楽器はMX980、
ロック、打ち込みはAurvana Airになります。
多くの人が納得できるように、使い分けはしやすいです。
個人的にはMX880とは、使い分けする気が起きません。
ただし、ヘッドホンに比べるとその違いは顕著ではなく、
ポータブルという仕様上、一定の騒音下で聞くことが多いため、
片方持っていれば済むような気もします。
どちらも極端には聞き疲れするイヤホンではないですが、
それでも聞き疲れする方はAurvana Airだと思います。
また、音色とは別の部分で、当たり前の部分ですが装着する手間がない点はMX980が良いです。ポータブル用なので、こうした違いは大きいです。